新麦コレクション小麦畑見学ツアー
~「ろのわ」さん~
2018年

~ 有機小麦粉生産者編 ~

2018年5月20日(日曜日)
ママパンのある滋賀県を飛び出して、九州は火の国熊本にある有機小麦生産者であり、
製粉まで行っている「ろのわ」さんへお邪魔してきました。

「ろのわ」さんと言えばママパンでも徐々に人気が高まっているオーガニック小麦粉
「パン用粉 ミナミノカオリ」と「菓子用粉 チクゴイズミ」の生産者さんです。
ママパンのある滋賀県大津市を朝9時に出発し移動すること7時間!!
熊本県菊池市に到着したのが16時過ぎ・・・まあなんと遠い事。

お忙しい時期にお伺いしたにも関わらず、 温かく出迎えてくださいました。
  到着して挨拶も早々に
保管倉庫、製粉機、小麦畑を見せていただき、
小麦、小麦粉、ご自身で栽培されている農作物に対する想いなどをお聞かせいただきました。



まず最初に見せていただいたのは、ろのわさんお手製の低温倉庫。
今まで、たくさんの製粉会社を訪問させていただいてますが、手作りの倉庫は初めてでした。
まるでアンティークショップの入口のようなお洒落な扉の向こうには、



竹炭を練り込んだ壁で覆われた倉庫内は、品質を保つため14℃に温度管理されています。
中には製粉前の玄麦などが保管されています。

※製粉されるのを今か今かと待っている小麦達




続いて見せていただいたのは、製粉機

製粉機が置かれている場所に入ると
辺り一面小麦粉のいい香りが漂っています。

そこはまるで、
酒蔵や味噌蔵のように
出来上がるものに良い作用を及ぼしてくれる、
目には見えないなにか魔法のようなものを感じる空間でした。


熊本は粉もん文化が定着した土地。
粉もん=だご汁です。

『昔は各集落に1軒は製粉機を持っている所があって、そこに皆が作った小麦やお米を持ち寄って製粉をしてもらっていた。
うちもその1軒だったんですよ。』
そんな熊本の粉もん文化を継承している「ろのわ」さん。

古いけど元気な製粉機。
壊れない。
壊れてもベルトが切れたとかその程度。

有機栽培された小麦を
昔ながらの製粉機で丁寧に製粉。
1回に製粉できる小麦の量として約100㎏
時間にすると約4時間。
そこから小麦粉に仕上がるのは約6割。
ロール挽きであるが、ゆっくりと製粉するため小麦に熱が加わりにくい。

だから、
香りが強い。
旨みも強い。


『ほんとは 1 回にもう少し多く製粉できればと思うのですがね...
早く製粉する事も出来るんですが、そうすると納得いくものが出来ないんです。』



今でこそ色んなシェフが小麦畑や製粉機を見るために足を運んで来られるそうですが、
初めてプロフェッショナルな方として「ろのわ」に来て下さったのが Painduse 米山シェフなんですって。
(Painduse 米山シェフは、2017年モバックショウで戸倉商事のブースにて製パンを披露くださった大阪で人気のベーカリーシェフです)


特に、新麦に切り替わる時などは必ず連絡をしています。
挽きたての小麦粉を送って、シェフに「今までの小麦粉と変わりないですか?」って伺うようにしているのです。
  その時にシェフから
『大丈夫!問題ないよって。
そういえばいつも「ろのわ」の小麦で作ったパンを買って下さるお客様が、
「小麦変った??」って言って聞いてきたよと。』
わかる人にはわかる。そんな小麦でありたい。

金色に輝くミナミノカオリ
阿蘇外輪山より流れてくる水と、有機栽培には欠かす事の出来ない肥沃な土。
そして
お天道様に程よい日照時間と恵の雨を祈る。
今年も小麦の生育は順調なようです。
あとは収穫を待つばかり。




丁度お邪魔した時は、ご近所さんより依頼を受けて一足早い小麦の収穫をされていました。





左:ろのわ 東さん、右:ママパン井上

『本気で使って下さるお客様の期待を裏切らないように、これからも「ろのわ」はいい麦を作り続けてまいります。』