“ブーランジェリー
セイジアサクラ”
オーナーシェフ 朝倉誠二氏
製パン技術講習会

2018年10月3日(水曜日)
会場:株式会社トクラ大阪
共催:小田象製粉株式会社、株式会社トクラ大阪、戸倉商事株式会社/ママパン

Technical lecturer

ブーランジェリー セイジアサクラ
オーナーシェフ 朝倉誠二 氏

東京都港区高輪にある人気ベーカリー店「ブーランジェリー セイジアサクラ」のオーナーシェフである朝倉誠二氏をお招きして、小田象製粉株式会社のフランスパン専用小麦粉ヌフ・ヴァンテと、機能性小麦粉KISA(キサ)、GANESHA(ガネーシャ)の特徴を使い分け、効率の良いパン作りの講習会を行いました。

製パン技術+効率を
上げる。
そして一つの生地でバリエーションを増やす。

 
講習会が始まるとすぐに、朝倉シェフの呼びかけでミキシングをミキサー前で見ていただいたり、出来上がった生地を触って成形をしていただいたりと、参加したお客様に「見て」「聞いて」「触って」「感じて」いただくことで、小田象製粉の機能性小麦粉などの特徴を最大限にお伝えする講習会となりました。

バゲット

 
小田象製粉:ヌフ・ヴァンテを使用。
低温長時間発酵。
ポルテりんご種、サワード・ディレクト25等を使用。

<Point>
・小麦粉と水のみでオートリーズ20分。
 オートリーズする事で水和とグルテン分解が進み、ミキシング時間が短くなる。
・サワー種を使用。ミキシングスタート時から入れてしまうと生地がダレてしまうため、オートリーズ後に投入。
・ミキシングが長い→生地温度上昇する→旨味も逃げてしまう。
・温度が高いとイーストが活性するため、スタートから少ないイーストで仕込むように。

捏ね上げ温度24~26℃で、分割後は生地をあまり締めすぎないように!
多加水にするのは、イーストに含まれるビタミンCなどで締まってくる生地を軟化させるため。

締まった生地は断面が丸くコロコロした感じの生地に・・・
ベストな生地は布へ出した際に楕円形になる。

<焼成のPoint>
・スチーム→生地入れ→スチーム

 

ソフトフランス
~1つの生地で多種多様なバリエーションを~

 
小田象製粉:ヌフ・ヴァンテ、KISA使用。
低温長時間発酵
ポルテりんご種、サワード・ディレクト25等を使用。

ひとつの生地で多種多様なバリエーションを!
冷蔵からホイロ、ホイロから冷蔵へ。イースト少なめの冷蔵長時間発酵生地なので、コントロールして焼成するタイミングを決めていける。

<Point>
・粉と水のみでオートリーズ20分。→油脂とサワード除く材料加えミキシング。
・全て混ぜ合わさってから油脂とサワードを投入。
・種が入ることでpHが下がっているので生地はよく伸びるし、伸ばしても縮まない。

フォカッチャ

 
カットしてプレーンで販売。
カットしてお好みの具材をサンドしてサンドイッチに仕上げて販売。
挟む具材を変えていけば、幾通りものサンドイッチを作ることが出来る。

講習会の時は、
・マヨネーズ+大山ハムのバジリコチキン+正栄セミドライトマト
・大山ハムタンドリーチキン
・しまうたウインナー+ODLラタトゥユ+きのこミックス+モリタンのポルチーニソース+パルミジャーノを挟んでオーブンでリベイク。

左からしまうたウインナーラタトゥユ、バジリコチキン、タンドリーチキンのサンドイッチ

ベーコンエピ

 
通常のベーコンエピは生地に対して1枚のカットされていないベーコンを使うのですが、シェフのお店ではカットしたベーコンを使用。
カットした方が歯切れも良く、食べやすくなるため。

プレーンのベーコンエピに、チーズを乗せるとベーコンチーズエピに!
ベーコンチーズエピにバジルソースを合わせると、ベーコンチーズバジルエピに!

カレーパン

 
おどろきの生地伸展性。

グリュイエールチーズ、ゴボウサラダ、大山ハムタンドールチキン
おさつ
鳴門金時ダイスカットを包み込み。
あんこ
あんこを包み込み、天板を使って平焼きに。

チョコレート

 
新感覚!
ビターチョコレートに、有機カカオニブをブレンドしてパン生地に包み込む。
有機カカオニブのフルーティーな香りと苦みがチョコレートと合わさることで、大人向けのチョコパンに♪

フィグ、黒豆

 
有機ドライいちじくを1/4カットして、対生地35%で包み込み。
軽く丸めたら1箇所を少し摘まんで、いちじくの形に成形し、縦にクープを5本入れる。

生地を伸ばして対生地40%丹波産黒豆鹿の子を散らして巻き込む。
チャバタ成形で四角にしてけしの実をトッピング。

ランチボックス(昼食)

 
講習で実演したパンを使ったシンプルなランチボックス。

<バゲットサンド>
・大山ハムペパーシンケン
・大山ハムモルタデラ+ゆで卵

<フォカッチャサンド>
・大山ハムパストラミビーフ

<付け合わせ>
粒マスタード、ザワークラウト、OLDのグリーンオリーヴとブラックオリーヴ、ゴボウサラダ、ミモレット、カマンベール。

 

食パン

 
70%4h中種法
小田象製粉:GANESHA(ガネーシャ)使用

GANESHA(ガネーシャ)の特徴として、
・微粉砕のため、水分とデンプンの結合水が多くなりしっとり感が生まれる。
・しっかり水和するので強いグルテンが形成される。
・冷凍してもグルテンが切れずβ化しにくいため老化も遅い。

<Point>
・老化防止のために、脱脂粉乳を使用。
・冷蔵販売時(サンドイッチ)の生地のソフトさ向上のために、不二製油の酵素入りマーガリンを使用。
・味と香りの向上のために、ミヨシ油脂のヨーロッパ産発酵バター27%配合のコンパウンドマーガリンを使用。

モルダーを通した食パン生地。

食感はふんわり。
生地はキメ細かく、口溶けの良い食パンです。

レーズン食パン

 
レーズンは対生地40%使用。
ワンローフ型に150gx3玉。
レーズンはお湯で戻して風味付けするくらいの方が生地へのダメージが少ない。

 
製造目線。お客様目線。両方の目線で。
材料の特徴、製法を理解する。
生地をコントロールして作りたいパンに落とし込んでいく。
ひとつの生地で、様々なパンを作る。そうすることで製造効率が上がり、お店の商品ラインナップも増えて棚映えもするようになる。
製造目線。お客様目線。両方の目線で、パンを作られている朝倉シェフ。
パン作りを始めて27年。
おいしさを追求するのはもちろんですが、支えて下さっているお客様と従業員に感謝しながらパンを作ることを大事にされている。
もっとパンの材料・製法について勉強し、周りにいる方々に感謝しながら日々過ごさないといけないなと感じた1日でありました。

朝倉シェフありがとうございました!

 
小田象製粉株式会社
講習会使用小麦粉
【ヌフ・ヴァンテ】
フランスパン専用粉。
カナダ・アメリカ・オーストラリアなどの小麦を絶妙な配合バランスで製粉。
日本人の好みに合う食感・風味に仕上がり、クラムはもっちり食感、クラストは「パリッとした食感」が特徴。

灰分:0.38% 蛋白:10.8%
荷姿:25kg

【KISA】
一般的な強力粉と違いKISAは独自の微粉砕技術により、十分な吸水が短時間に行われ、また吸水した水分を逃がしにくいため、冷蔵・冷凍しても生地が劣化しにくいのが特徴。
添加物無しでソフトな食感を!
微粉砕された小麦粉がしっかり水を抱きかかえ込むため、添加物を使用しなくても、しっとりとした食感に仕上がります。細かく粉砕する事で表面積が増え、でんぷん粒の損傷が少ないので、水と結びつくデンプン粒が増え、しっかりと水分を抱き込みます。

灰分0.35% 蛋白:12.3%
荷姿:25kg

【GANESHA】
KISA同様に、小田象製粉の微粉砕技術により、十分な吸水が短時間に行われ、また吸水した水分を逃がしにくいため、冷蔵・冷凍しても生地が劣化しにくいのが特徴。
添加物無しでソフトな食感を!
KISAとの違いはその風味の強さ!

灰分:12.7% 蛋白:0.40%

~KISA、ガネーシャ共通の特徴~
・微粉砕小麦粉
・吸水の良さ(吸水時間の速さ)
 →機能性小麦粉は粒子が小さい分、表面積が大きい。すると水分と結びつく小麦のデンプン粒も大きくなり、しっかり結びついた結合水は焼きあがるまで離れず、生地をしっとりさせることになる。
・ミキシング時間が短い。
・作業効率が良い。
・冷蔵冷凍耐性が高い。
・内層はモチモチでもフワフワでもない。うるおっていてモッチリ。“うるモチ”
・老化も遅い。

        

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