ヤーシン社長の旧友を訪ねて 2019年8月24日
<低地のイチジク農家を視察>
最初に訪問したのは、低地のイチジク農家。
社長さんの計らいで、高地と低地のイチジクの違いを把握するために、ブローカー時代にお世話になっていた農家さんを訪問しました。15年以上も取引していないにも関わらず、とても暖かく迎えていただきました。
低地(平野)のイチジク畑は比較的大規模な農家さんが多いようで、20ヘクタール規模の畑を持っているところもあります。低地は平らな土地なので、管理がし易く、運搬にも機械を使えるため作業効率が良さそうです。
ここで農家の方がイチジクの収穫作業を披露してくれました。
通常は日中よりも気温が低く、収穫作業員に負担が少ない朝5時頃から収穫を行います。
この時の気温は41℃。さすがのイチジクの木も元気が無いように見えます。
こちらの畑では、強い日差しから樹木を守るために青白い日焼け止めを幹に塗っています。
私も農園のオーナー(お父さん)に摘み方、見分け方を教えてもらい、少しだけお手伝い。
木の下に落ちたイチジクも立派な売り物です。イチジクを踏まないように地面を気にしなからの収穫は、慣れるまで疲れます。苦笑。
イチジクは、熟して少し乾燥が進んだ果実を手摘みします。
※収穫まではまだ少し早い。
※左と中央のいちじくは採りごろ。
※採りごろのイチジク。
イチジクは乾燥が進むと果実自体が回転し、軸がねじれて自然落下するようになっています。従って、落下したイチジクも大切な果実として収穫します。
収穫したイチジクを観察してみると、表面がきれいなイチジクもありますが、鳥などに突かれた果実もあります。
イチジクの表皮が、葉の茎、そして他のイチジクと摩擦して、少しこすれた傷もあります。
また、気温が高い場所では、イチジクの表皮に糖分(蜜)が出てきてベタついています。
このように表皮がベタついたイチジクが落下すると、地面の砂や石がイチジクの表皮に付着した状態になります。
もちろん、すべてのイチジクは工場で洗浄され、汚れや異物は取り除かれますが、農家では収穫した状態で出荷します。
収穫したイチジクは、一旦ビニールテントの中で4~5日天日干しされた後、一時保管後に出荷されます。
偶然にもブローカーさんが農家にやってきて、イチジクの買い付け交渉をされています。
ブローカーさんは、イチジクの状態を見てその場で買取額を決めます。
売買が成立したら、イチジクを自前のトラックの荷台に乗せ、その場で現金決済。これが取引のルールらしいです。
この日は、様子を見に来ただけのブローカーさんですが、ちょっと生々しく売買を再現してもらいました!
さて、農家から買い付けたイチジクは、そのまま更に大規模ブローカーへ転売されます。
中には、少しでも高く売るために、品質の良いイチジクを選別してから転売するブローカーもいるようです。
※ブローカーが買い付けたイチジク
※選別された品質の良いイチジク
※家畜のエサとなるイチジク
※大規模ブローカーの倉庫内
ここで理解しておくことは、ブローカー経由のイチジクは、どの辺りで収穫され、どの農家から出荷されたかが全くわからないということです。殆どの農家、特に低地の農家はブローカーにイチジクを販売しています。
従って、NAZDEM社のようにコンベンショナル(一般品)でもトレーサビリティ(追跡可能性)できているイチジクは、他社では殆どないでしょう。
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