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パン酵母について

「小麦粉」に引き続き、パンの基本材料4種のひとつ。
パン生地を発酵させるために欠かせない「パン酵母」についてのお話です。

パン酵母について

酵母には多くの種類がありますが、代表的なのは「イースト」と「天然酵母/自家製酵母」。
一般的に、製パンに適した一つの菌種を純粋培養したものを「イースト」、イースト以外の微生物も含んだパン種のようなものを「天然酵母」や「自家製酵母」などと呼んでいます。
しかし、どちらも同じ「サッカロミセス属」の酵母の働きを利用してパンがつくられることに変わりはありません。

酵母は顕微鏡でしか見ることが出来ない微生物で、1個の独立した生命体を持つ細胞です。
細胞の周囲を覆っている細胞膜は弾力性があり、この膜を通して酵母は外部から栄養分を吸収し生命活動をしています。
パンづくりには、この【酵母の生命活動】の一部を利用させてもらっているのです。

パンの発酵(醗酵)

酵母は周囲に酸素がある時は呼吸をして増殖します。
しかし、酸素が不足した状態下に置かれると(パン生地の中に存在する時など)増殖を控え、周囲にある栄養分である糖類を細胞内に取り込み、その糖類を炭酸ガスとアルコールに分解することでエネルギーを得て生命を維持します。
これが「発酵作用」です。
発酵によって出来た炭酸ガスは、網目構造をしたグルテン膜のあらゆるところでたくさんの気泡となって生地を膨らませ、パン独特の食感を生み出します。
一方、アルコールはパンにふくよかな香りや風味を与えます。

※微生物によって、人間に有益な物質が生成される現象を「発酵(醗酵)」と呼び、悪変したものを「腐敗」と呼びます。

一般的に発酵にはある程度の時間が掛かりますが、その間にたんぱく質やデンプンが様々な酵素の影響でパン生地に旨味や香り、焼き上がりの美味しそうな色合いを呈する成分なども作り出してくれます。

これらの一連の発酵と熟成を経て適度な膨らみと成分を含んだパン生地は、火通りが良く、色、風味、食感、さらに消化にも良い美味しいパンに焼き上がります

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