03

塩について

小麦粉、パン酵母と続きまして第3回は、基本材料の1つ「塩」についてです。

塩の役割

塩はバゲットなどのシンプルなパンなどに塩味えんみをつけることはもちろん、発酵途中の不要微生物の抑制や、発酵速度の調整、また焼成時の皮の色付きなど少量ながら様々な役割を持っています。
今日のように塩もバラエティが増えてくると、その選択と使用量の調整などにも注意が必要です。

塩によって違う塩味えんみ

シンプルなパン(バゲットなど)などで同じ割合で使用した場合、使用する塩によって「パンの塩味」が変わることがあります。
それは使用した塩に含まれる「塩化ナトリウム」の含有量によるものです。

通常、塩化ナトリウム量が多いほど塩味は強くなります。
ママパンでお取り扱いしている「伯方の塩」「早瀬の波塩」「ゲランドの塩」などは、塩100g中の塩化ナトリウム量はだいたい95~96g程度ですが、一般的な食塩になると99g以上になります。
たった数パーセントのことですが、シンプルなパンでは大きな差となります。

また、お料理などでは塩味の捉え方がだいぶ変わります。

現代においては健康面などでの配慮から「減塩」や「無塩」などもキーワードとなっています。パンも例外ではなく、減塩パンも無塩パンもつくられています。
ただ、製パンにおける段階では物性が大きく変わります。

塩は生地中のグルテン組織を適度に引き締めて弾力のある生地にします。
塩が配合されていない生地はベタベタして締まりが無く、生地の発酵や膨張も時間が掛かり、生地の状態が把握しづらくなります。
そういった時に、生地改良剤(イーストフードやビタミンCなどの酸化剤)を添加してパン生地を引き締める場合もあります。

塩の配合量について

一般的なパンづくりでは、小麦粉の量に対して塩2%の配合が多くあります。
例えば基本材料の4種類でつくる「バゲット」生地などは小麦粉を100g使用してつくると生地の総重量はだいたい170g前後ですが、柔らかいソフトな菓子パン生地などでは、砂糖や卵や油脂などの副原料もたくさん入るため、生地の総重量は200gを超える場合もあります。
小麦粉に対して2%という配合は変わらなくても、生地の総重量に対しての「塩」のパーセンテージは大きく変わります

最近ではシンプルなパンでも「高加水パン」として水分量の多い配合のパンもたくさんあります。当然、小麦粉に対しての2%を基本にしていると、生地の締まりもなく、また塩味の薄いパンに焼き上がってしまいます。

どういうパンをつくりたいかによって、塩の種類を変えたり、配合を変えたりして自分好みの美味しいパンづくりを楽しんでください。

Salt Lineup

塩の一覧

ママパンでお取り扱いしている塩はこちら

海水から作った塩や岩塩など、ママパンの塩ラインナップ

Basic Key

こちらもCheck!

基本のKEY-成形のコツ編-
パン作りの基本を初級・中級・上級とステップアップしていきます。
動画とシェフのワンポイントアドバイスでもっとパン作りを楽しみましょう!
基本のKEY-材料編 目次-
パンづくりで使う基本的な材料について紹介。
その材料を使う意味など、基本的な知識を深めていきましょう。

SNS

様々な情報をお届け!