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水について

今回は基本材料の4つのうち、最後の「水」についての簡単なお話です。

パンづくりに適した水

基本的に製パンにおいては【弱酸性水】、または硬度50~100程度の【軟水】から【やや硬水】が適しています。

パンの原材料の多くは中性から弱酸性であり、イーストのアルコール発酵における副産物の有機酸が弱酸性であるため、基本的には水も弱酸性が適しています。
一般的な水道水は【やや酸性】です。
ですので、パン生地の多くは弱酸性に位置します。
弱酸性の環境下は、イーストにとっても活動しやすい環境となります。

水道水の浄化などで「アルカリ水」を利用される方もいらっしゃいますが、自然の摂理においては弱酸性であるパン生地に強いアルカリ性の水を加えると、パン生地の発酵や膨脹に悪影響を与えてしまいます。
パン生地自体が「弱アルカリ性」状態になると、イーストの活性はたちまち落ち、パン生地中の糖質を分解、消化して炭酸ガスを生成するといった発酵のシステム機能も低下させます。
炭酸ガスが充分に生成されないと当然パン生地も上手く膨らんでくれません。

お家で利用されている方で「上手くパンが膨らまない」という方は、pHなども一度確認されてみるのも良いかもしれません。

水の硬度

硬度については、理想的には【やや硬水】の方が、生地が適度に締まって発酵もスムーズです。
軟水ではグルテン組織が軟化して、ベタベタした生地になるため作業性が悪くなります。
また、稀に高加水のパン生地に生地を引き締めるために「硬度の高い水」を使用される方も、あまりにも硬度が高いとパン生地の良い意味での「ゆるみ」が無く、プリプリとし過ぎた生地になり、生地が切れたり、発酵が遅れるなど作業性が落ちる場合もあります。

適正な発酵活動の上での「熟成の旨味」を引き出すなど、バランス良くパンづくりをされてみてください。

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