06

乳製品類について

【パンづくりの副材料】について、今回は「乳製品類」についてのお話です。
パンづくりでよく使用する乳製品といえば、牛乳や脱脂粉乳(スキムミルク)ではないでしょうか。
その他には、全脂粉乳・バターミルクパウダー・生クリーム・練乳と、
クリームチーズやシュレッドチーズなどのチーズ類があります。
今回は牛乳、粉乳を中心にお話しします。

乳製品の効果

その昔、パンの味を良くする為に、仕込み水の代わりに牛乳を使用したことが始まりとも云われています。
今日でも、牛乳をはじめ、脱脂粉乳(スキムミルク)、全脂粉乳、バターミルクパウダー、生クリーム、練乳などの乳製品がパン生地に配合されています。

良好なクラストカラーの付与

パン及びパン生地におけるこれらの乳製品の効果ですが、先ず「良好なクラストカラーの付与」です。
成分に含まれる「乳糖」が、焼成時にカラメル化とメイラード反応を起こし、パン表面の焼き色を食欲をそそる美味しそうな鮮やかな黄金色にしてくれます。

甘い香りや風味

乳製品の成分中の固形物(乳糖、乳脂肪、蛋白質など)が焼成中に生じる化合物の醸し出す甘い香りや風味です。
これが俗にいう「ミルクフレーバー」です。

※酵母には「ショ糖分解酵素のインベルターゼ」、「麦芽糖分解酵素のマルターゼ」、「アルコール発酵に関連した10種余りに及ぶ酵素一群のチマーゼ群」などが存在していますが、「乳糖分解酵素のラクターゼ」は存在していません。
結果、乳糖はイースト(酵母)による発酵活動にて消費されないので、そのまま残存し、クラストカラーの付与やミルクフレーバーの素になります。

乳製品を使う際の注意点

牛乳の成分は水分が約90%で残りの約10%が固形分(乳糖、乳脂肪、蛋白質など)となっています。
固形分を乾燥させたものが「全脂粉乳」で、そこから乳脂肪を除去したものが脱脂粉乳(スキムミルク)です。

粉対比で牛乳を70%配合ということは、水分63%と全脂粉乳7%とほぼ同じなのです。
逆に粉対比で水70%の配合のパンを牛乳でつくろうとした場合、1割増しの77%の牛乳で仕込まないと、硬いパン生地になってしまいますのでご注意ください。

牛乳に比べ廉価で保存期間も長い脱脂粉乳(スキムミルク)を【パンづくり】ではよく使用しますが、使用した場合としない場合でも生地の硬さは明らかに変わってきます。
使用した場合は「粉体」の量が増える訳ですから、その分硬くなります。そのため水分量の調節を行う必要があります。粉乳量の半量から同量の水を目安に増やしてください。

また、湿気に弱いためチャック式のビニール袋などでの保管や、計量後も粉類や砂糖類と一緒によく混ぜ合わせておくか、水に溶かしてから使用しないとダマになる可能性もあるので注意が必要です。

乳製品を配合した生地仕込みの際には生地の捏上まで時間が掛かったり、「緩衝作用」の関係で発酵も遅くなったり生地が弛んだりもしますので、配合や工程途中の生地の状態などの見極めや対処も大事になってきます。

Basic Key

こちらもCheck!

基本のKEY-成形のコツ編-
パン作りの基本を初級・中級・上級とステップアップしていきます。
動画とシェフのワンポイントアドバイスでもっとパン作りを楽しみましょう!
基本のKEY-材料編 目次-
パンづくりで使う基本的な材料について紹介。
その材料を使う意味など、基本的な知識を深めていきましょう。

SNS

様々な情報をお届け!