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"ココロ・カラダに、おいしい毎日"
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卵について
パンに風味を与えるほか、卵黄に含まれる天然の乳化剤ともいわれるレシチンとリポタンパク質が水と油脂の仲介をする為、パンのクラムを柔らかくしたり、デンプン粒を保護して焼成後のパンの老化を遅らせたりします。
仕込み水の一部を卵に置換すると、ボリュームが出やすくソフトに仕上がります。
ボリュームには「起泡力」ソフトな食感には「乳化力」が卵の調理特性として働いています。
焼成時にはドリュウル(塗り卵)として用いて、綺麗で食欲をそそる美味しそうな黄金色になる手助けをします。
また、パン表面に卵の薄い膜が張ることによって水分の蒸発を防ぎ、パンの老化を遅らせます。
卵白に含まれる蛋白質(主に熱変化に敏感なオボアルブミン)は加熱により凝固するので、焼き上がりの食感がパサパサと硬くなります。
この調理特性を利用したものが「マカロントッピング」です。
また、『ブリオッシュ』などの卵の配合量の多いパン生地などは、卵黄のみ使用して卵白の分量を「水」に置き換えて仕込むと、パサつかずコクを感じながらも軽い食感で口溶けの良い『ブリオッシュ』に仕上がります。
全卵の場合、含まれる水分量は約76%で、残りは蛋白質や脂質などです。(卵黄の水分量は約48%、卵白の水分量は約88%)
例えば、全卵使用の配合で、卵アレルギーなどの理由から卵を抜き、水だけで仕込みたい場合などは換算が必要です。
例)粉100gで全卵が90g配合の場合、水に置き換える場合は約68gになります。
卵の分量 × 卵の水分量 = 水に置き換える量
90g × 76% = 68.4g
逆に、水68g配合を全卵に置き換える場合は約90gになります。
水の分量 ÷ 卵の水分量 = 卵に置き換える量
68.4g ÷ 76% = 90g
理論上の水分量は合うのですが、卵には色々な調理特性があるため、卵を使用と不使用では同じような仕上がりにはなりにくいです。
全量では無く、全体の一部分だけを置き換えたい場合などは、先ずは水と半分ずつに置き換えて仕込んでみて、出来上がりの外観や食感・食味などを確認してから、正規の76%置換にしてみられると良いと思います。
例)水100gを置き換える場合
全卵50g + 水50g = 100g
前述の『ブリオッシュ』の卵白を水に置き換える場合の例として、全卵をL寸3個(全量で約180gとして)使用した配合の場合、卵黄が約60gで、卵白が約120gなので、120g×88%=105.6gとなります。
この105.6g分の水分量を卵白から水に置き換えます。
例)L寸3個(約180g)の全卵を卵黄と水に置き換える場合
卵黄:卵1個で約20g×3個分=約60g
卵白:L寸卵1個で約40g×3個分=約120g
卵白約120g × 卵白の水分量:88% = 約105.6g(卵白の代わりに必要な水の分量)
どうしても卵がダメな場合を除いて、ソフトなパンに仕上げたい場合は卵を配合して、調理特性をうまく活用してみてください。
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