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油脂類について

【パンづくりの副材料】、今回は「油脂類」についてのお話です。

例外もありますが、簡単にいうと「油脂」は下記に分けられます。

【油】:常温で液体
サラダ油、オリーブオイル、太白胡麻油など
【脂】:常温で固体
バター、マーガリン、ショートニング、ラードなど

油脂類の効果

第一に「パンにコクを与えて美味しくする」ことが一番です。
バターやマーガリンなどのように強い香りや味を持ち合わせているものは、それらがパンに直接反映されます。

パンに特徴ある味や香りを求める場合は、バター、マーガリン、オリーブオイルなど個性の強い油脂を配合します。
ただし、味や香りが強い分、他の素材の風味を感じにくくなったり、お互いが良い効果を発揮出来なくなる可能性もあるので、他の材料との相性も考えなくてはなりません。

大事なのはつくり手のイメージするパンに合った油脂の選択です。

また、ショートニングのように無味無臭の油脂を配合することもあります。
この場合は、そのパンにとって油脂の香りや味が邪魔になるものの、「伸展性を良くする」という油脂の効果があるためです。
油脂が均一に練り込まれたパン生地は、油脂の持っている調理特性の「可塑性(かそせい)」(外部からの物理的な力により、その形を自由に変えること。)を利用することにより、伸展性が良くなります。
伸展性のある生地は作業性が良く、焼成時にはオーブン内での窯伸びも良くなりボリュームが増大します。
オーブン内でよく膨らむということは、火の通りが良くなるため適正な時間で焼き上がり、ソフトで口溶けの良い美味しいパンに仕上がるという事です。

他にも、「老化抑制」や「乳化作用」といった効果も得ることが出来ます。

製パン製菓材料の定番「バター」について

「バター」は、牛乳の中に含まれている「乳脂肪」を凝集させて固めたものですが、大きく分類して4つに分けられます。

クリームの段階で乳酸発酵させている

加塩(有塩)バター
クリームの段階で乳酸発酵させているので独特な芳香とコクが加わっており、重量に対して1~2%の塩を添加しているのでバター自体に適度な塩味があり、保存性が高い。
無塩バター
フランスなどで多い。クリームの段階で乳酸発酵させているので独特な芳香とコクが加わっている反面、無塩なので保存性が低く劣化しやすい性質を持っている。(出来上がったバターに乳酸菌を混ぜて製造する品もあります。)

非発酵

加塩(有塩)バター
日本で多い。クセが無くあっさりしつつ塩味があり、保存性が高い。
無塩バター
日本の製菓製パン業界で使用量が多い。バター特有の芳香やコクを活かしながらも、基本的にはあっさりとしているので、他の素材の特徴や作業性などを邪魔しない。

ここでいう「クリーム」は、牛乳を遠心分離器にかけて「乳脂肪」を濃縮したものです。
また、「食塩不使用」などの表示もよく見かけますが、あくまでも人工的に「塩分」を加えていないということで、バターの原料である生乳にはもともと微量の「塩分」は含まれています。

なぜ、原料の牛乳は白いのに、バターは白くないのか?

「カロチノイド」と呼ばれる脂溶性の色素がバターの黄色の元となっています。

元々は乳牛が食べる牧草の中に含まれている色素ですが、牧草中では他の「クロロフィル」という緑色の色素の方が強いので隠れています。
乳牛の体内に入って吸収されてからは「脂肪球」と呼ばれる特殊な被膜の中に溶け込みます。この粒子は光を不規則に散乱(乱反射)するという特性を持っているので牛乳は白っぽく見えます。
※透明な砂糖(上白糖やグラニュー糖など)や、雲や雪が白く見えるのと同じです。

バターは牛乳の中の脂肪球を凝集させて固めたものなので、製造中に脂肪球を保護していた被膜が破れ、中に包まれていた乳脂肪が表面に現れます。
ここで初めて「カロチノイド」本来の黄色が表面に現れるのでバターは黄色をしているのです。

因みに、季節による牧草の違いや餌の種類によって、バターの色は大きく変わってきます。
例えば、春から夏にかけて新鮮な牧草を食べられる時期には、餌の中の「カロチノイド」色素の量が多いので、この時期に製造されるバターは鮮やかな黄色をしています。
ところが、冬には新鮮な牧草が食べられないので、どうしてもバターの色は薄くなってしまいます。
そこで、大規模な工場では、バターに植物系の色素を添加して、年間を通じてバターの色がほぼ一定になるように調整を行なっています。

また、乳牛の飼料を「カロチノイド」色素の少ない干し草やとうもろこしなどの穀物にしている事で、季節に限らず白いバターもあります。

「カロチノイド」と呼ばれる脂溶性の色素がバターの黄色の元となっています。
元々は乳牛が食べる牧草の中に含まれている色素ですが、牧草中では他の「クロロフィル」という緑色の色素の方が強いので隠れています。

乳牛の体内に入って吸収されてからは「脂肪球」と呼ばれる特殊な被膜の中に溶け込みます。この粒子は光を不規則に散乱(乱反射)するという特性を持っているので牛乳は白っぽく見えます。
※透明な砂糖(上白糖やグラニュー糖など)や、雲や雪が白く見えるのと同じです。

ところが、バターは牛乳の中の脂肪球を凝集させて固めたものなので、製造中に脂肪球を保護していた被膜が破れ、中に包まれていた乳脂肪が表面に現れます。
ここで初めて「カロチノイド」本来の黄色が表面に現れるのでバターは黄色をしているのです。

因みに、季節による牧草の違いや餌の種類によって、バターの色は大きく変わってきます。
例えば、春から夏にかけて新鮮な牧草を食べられる時期には、餌の中の「カロチノイド」色素の量が多いので、この時期に製造されるバターは鮮やかな黄色をしています。
ところが、冬には新鮮な牧草が食べられないので、どうしてもバターの色は薄くなってしまいます。
そこで、大規模な工場では、バターに植物系の色素を添加して、年間を通じてバターの色がほぼ一定になるように調整を行なっています。

また、乳牛の飼料を「カロチノイド」色素の少ない干し草やとうもろこしなどの穀物にしている事で、季節に限らず白いバターもあります。

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