Chocolate circumstance

2024年のチョコレート事情

11月となり、クリスマスやバレンタインが近づいてくる中で、「チョコレート」が今年高騰しています。
そんな中、原料事情とお悩みの解決アイテムをご紹介させていただきます。

カカオが不足している理由と影響

現在のカカオ不足には、干ばつ・洪水といった自然災害、病害虫の発生、金の不法採掘による農園閉鎖などが原因とされています。
カカオを原料とするチョコレートへの影響は大きく、11月1日より大手菓子メーカーは、チョコレートやビスケット計75品の出荷価格を3.7~38.4%引き上げるとの発表もあります。
また、内容量を減らして対応するなどの施策が行われています。
チョコレートは年間を通して人気の商品やお菓子であり、私たちの生活の中でも深く入り込んでいる商品・食材かと思います。
クリスマス・バレンタインを控え、需要が高まってきているこの時期にチョコレートのご提案をさせていただきます。

Strength

カカオ高騰の中、3つの強みで高品質を保つチョコレート素材

Deliciousness美味しさ
美味しさ

スイートチョコレートCP25フレーク

限られたカカオ分で最大限に風味・力価を引き出すために配合比率と製法にこだわりつくられました。
配合のカカオマスにはガーナ産カカオ豆のみを使用し、癖のないベーシックな風味で、焼菓子やガナッシュなど幅広くご使用いただけます。
また、流動性も高く、コーティングにも適しています。

ホワイトチョコレートCP07フレーク

すっきりとした味わいと後味のキレがよいホワイトチョコとしてご使用いただけます。
また、ブレンドする他の素材の風味を引き立て、カラー適性も良く、発色も鮮やかです。
イチゴや抹茶などのフレーバーチョコのベースとして、幅広くご使用いただけます。
こちらも流動性が高く、コーティングにも適しています。

Featuresくちどけの良さが特長
くちどけの良さが特長

スイートチョコレートCP25フレーク

ココアバターによく似た融解曲線を持つ代用油脂を使用しています。
そうすることで、ピュアチョコレートのような口どけを再現しています。

準チョコレートというだけで敬遠されていた専門店のパティシエからも、「おいしい」「ブラウニーなどの生地練り込み用途だと(ピュアチョコレートと)遜色ない。」などと好評で、風味面でも評価されているアイテムです。
CPシリーズは準チョコレート規格ながら、チョコレート規格品とも変わらない品質と美味しさを兼ね備えているのです。

コスト・安定供給

コロナ禍を超えて、チョコレートの消費量は過去最高の消費量へとなっています。
また、世界的にチョコレート市場は拡大していて、今後も需要増加が見込まれています。
そんな中で前述の様な理由での歴史的な不作により、カカオ原料価格も過去最高になっています。
カカオの育成には数年を要するため、不足状況は長期化も予想されています。

CPフレークに使われている植物油脂は、比較的安定した相場で、カカオ市場の上昇に対しても安定した価格と供給環境で対応することが可能なのです。

使いやすさ

CPシリーズは準チョコレート規格なので、癖のない風味が特徴です。
そのままご使用いただくことはもちろん、現在ご使用いただいているチョコレートとのブレンドでのご使用もおすすめです。
味わいを極力変えることなく、風味の調整・コストを抑えての製造が可能に!

不二製油株式会社が行った「準チョコレート」に関する一般消費者への独自アンケート調査によると、準チョコレートの認知度は33.2%。
また、コンビニ、スーパーでチョコレートを使ったデザートを購入したことがある人の中で、原材料名に「準チョコレート」を含むことで購入を控えると回答されたのは7.6%とのデータがあります。

味や見た目が変わらず、コストをかけないで作れる非常に可能性に富んだアイテムと考えられます。
本格的なチョコレートシーズンを迎える中で、ぜひご検討を頂けますと幸いです。

Pick up

これからのシーズンにおすすめ

Filling生チョコ入りのフィリング
生チョコ入りのフィリング

TFチョコフラワー (生チョコ入り)1kg

生チョコレートを使用し、甘みとカカオの風味のバランスを追求したフィリングです。
大人からお子様まで年齢を問わずスイートチョコの風味を楽しんでいただける仕上がりになっています。
生食はもちろん保形性・耐熱性に優れ、なめらかな食感も特長です。
これからのシーズンにオススメのチョコレートフィリングです。
ドライフルーツ類との相性も抜群です。

Pasteチョコレート×あんこ
チョコレート×あんこ

チョコレートあん 1kg

ガーナ産をメインに、アフリカのカカオ豆を原料としたココアパウダーをたっぷり使った食べればビターなチョコの豊かな風味と香りがフワッと口に広がりる餡子です。
口どけの良いこしあんタイプで、あっさりとした後味となっていて、和菓子にはもちろん洋菓子やパンなど幅広いアレンジにお使いいただけます。
「チョコレートあん」という名前にも訴求力がありますので、ぜひ季節限定アイテムとしてもいかがでしょうか?

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読む。ママパン

ママパンシェフ
清水 真樹
ママパン専属のシェフとしてオリジナルのレシピ開発・お客様への技術アドバイスなどを行う。

今回のテーマ

パンづくりの副材料『油脂類』
今回は【油脂類】についての簡単なお話です。

例外もありますが簡単に云うと
【油】:常温で液体 / サラダ油、オリーブオイル、太白胡麻油など。
【脂】:常温で固体 / バター、マーガリン、ショートニング、ラードなど。

先ずは【パンづくり】における油脂類の効果ですが、第一に「パンにコクを与えて美味しくする。」ことが一番です。
バターやマーガリンなどのように強い香りや味を持ち合わせているものは、それらがパンに直接反映されます。
パンに特徴ある味や香りを求める場合は、バター、マーガリン、オリーブオイルなど個性の強い油脂を配合します。
ただし強い分、他の素材の風味を殺したり、お互いが良い効果を発揮出来なくなる可能性もあるので、他の材料との相性も考えなくてはなりません。
大事なのは製り手のイメージするパンに合った油脂の選択です。
それぞれを詳しく説明すると非常に長くなりますので、今回は「バター」を中心にお話させていただきます。
「バター」は、牛乳の中に含まれている「乳脂肪」を凝集させて固めたものですが、大きく分類して

① クリームの段階で乳酸発酵させている加塩(有塩)バター
⇒クリームの段階で乳酸発酵させているので、独特な芳香とコクが加わっており、重量に対して1~2%の塩を添加しているので、バター自体に適度な塩味があり、保存性が高い。

② クリームの段階で乳酸発酵させている無塩バター(出来上がったバターに乳酸菌を混ぜて製造する品もある。)
⇒フランスなどで多い。クリームの段階で乳酸発酵させているので、独特な芳香とコクが加わっている反面、無塩なので保存性が低く劣化しやすい性質を持っています。

③ 非醗酵の加塩(有塩)バター
⇒日本で多い。クセが無くあっさりしつつ、塩味があり、保存性が高い。

④ 非醗酵の無塩バター
⇒日本の製菓製パン業界で使用量多い。バター特有の芳香やコクを活かしながらも、基本的にはあっさりとしているので、他の素材の特徴や作業性などを邪魔しない。

※「クリーム」・・・牛乳を遠心分離器にかけて「乳脂肪」を濃縮したもの。
※「食塩不使用」などの表示に注意⇒あくまでも人工的に「塩分」を加えていないということで、バターの原料である生乳にはもともと微量の「塩分」は含まれています。

<なぜ?>
・バターの原料となる牛乳は白いのに、なぜバターは黄色いの?
⇒バターの黄色の元は【カロチノイド】と呼ばれる脂溶性の色素です。
元々は乳牛が食べる牧草の中に含まれている色素ですが、牧草中では他の【クロロフィル】という緑色の色素の方が強いので隠れているのですが、乳牛の体内に入って吸収されてからは「脂肪球」と呼ばれる特殊な被膜の中に溶け込みます。
この粒子は光を不規則に散乱(乱反射)するという特性を持っているので牛乳は白っぽく見えます。
※透明な砂糖(上白糖やグラニュー糖など)や、雲や雪が白く見えるのと同じです。

バターは牛乳の中の脂肪球を凝集させて固めたものなので、製造中に脂肪球を保護していた被膜が破れ、中に包まれていた乳脂肪が表面に現れます。
ここで初めて「カロチノイド」本来の黄色が表面に現れるのでバターは黄色をしているのです。

因みに、季節による牧草の違いや餌の種類によって、バターの色は大きく変わってきます。
例えば、春から夏にかけて新鮮な牧草を食べられる時期には、餌の中の「カロチノイド」色素の量が多いので、この時期に製造されるバターは鮮やかな黄色をしています。
ところが、冬には新鮮な牧草が食べられないので、どうしてもバターの色は薄くなってしまいます。
そこで、大規模な工場では、バターに植物系の色素を添加して、年間を通じてバターの色がほぼ一定になるように調整を行なっています。

また、乳牛の飼料を「カロチノイド」色素の少ない干し草やとうもろこしなどの穀物にしている事で、季節に限らず白いバターもあります。