Water roux

「粉末湯種」で作るパン

今年取材に訪れました講習会では有名シェフ達から「湯種」「湯ゲル」といったワードが出ているほど、改めて注目されている製法の1つです。
その効果を粉体混合で使える、魅力的なアイテムをご紹介!

改めて「湯種」とは?

もっちり・しっとりといったソフトな食感を引き出すもの。
小麦粉を熱湯で捏ねて、小麦粉中のでんぷんをα化させたものが「湯種」と言われます。
生地の一部に湯種を加えてパンをつくる製法が「湯種製法」などと呼ばれています。
もっちり・しっとりした食感と口溶けの良さ、小麦粉本来の甘味が引き立つ、独特の旨味。
さらに、老化が遅く、美味しい状態が長く続く効果が得られます!

パンには嬉しい効果をもたらしますが、つくる時間が無かったり、使いたくても使えないというお店様もいらっしゃるかと思います。

Pick up Item

熱湯や捏ねる手間をかけない湯種!

奥本製粉 湯だねっ粉 各種

湯種を粉末化し、粉の一部に置き換えることで湯種と同様の効果を得られる「湯だねっ粉」。
仕込みの手間がなく、湯種特有の「ソフト」「しっとり」「もっちり」食感を手軽にお楽しみいただけます。
食パンはもちろん、フランスパンなどのハード系にもぜひ使ってほしい逸品です。
湯だねっ粉の配合量の目安

・湯だねっ粉を小麦粉の量に対して外割で10%入れていただき、お水を使用量の5~10%を目安に増やしてご使用ください。
例)小麦粉:250g 水:170gのレシピに使用の場合
湯だねっ粉:25g 水:8.5~17gを目安にご使用ください。

Recommended Recipe

ドーナツ・カレーパンにいかが?

Recipeレシピ
レシピ

湯だねっ粉で作る!
ひとつの生地で「生ドーナツ」&「カレーパン」

フライする生地にも、「湯だねっ粉」はおすすめです。
食感の改善はもちろん、吸油を抑えて加水した分の水分が保持されるため、油調で水分とフライ油の交換が起こることによるドーナツ生地特有の悩み「生地の老化」を抑制し、美味しさが長持ちします。
また、バッター液に湯だねっ粉を使用すると小麦粉よりも粘性が高くパン粉の剥がれが少なくなり、吸油も抑えられます。

今回ママパンで作らせていただいてレシピは、ドーナツ・カレーパンどちらにも使える配合です。
発酵時間・フライの温度まで同じですので、包餡して揚げる・揚げた後に中身を詰める等、1つの生地で様々な活用が可能です。

Item

その他湯種アイテム

い~湯だね!ブラン 240g

美瑛産小麦湯種 3kg×4

Contents

湯種の話が出ました講習会

「志賀勝栄が考える北海道産小麦粉のパンづくり。」

新麦コレクション主催 国産小麦講習会

Recommended Items

ドーナツ油として大人気!

ドーナツメートDX ミヨシ油脂 15kg

ドーナツメートDXを使うと、油の染み出しや砂糖の泣きが少なく、おいしそうな見た目を保つ仕上がりになります。
また、熱安定性に優れているので、ドーナツや揚げパンなどの揚げ物に最適です。
ママパンでも多くのご注文をいただいております、隠れた人気商品です。

Recommended Items ②

ドーナツ・カレーパンの中身もご一緒に!

フローマミュレアR 1kg

TFチョコフラワー (生チョコ入り)1kg

印度の味 (中辛) カレーペースト 3倍濃縮 1kg

印度の味 バターチキンカレー カレーペースト 3倍濃縮 1kg


Archive

読む。ママパン

ママパンシェフ
清水 真樹
ママパン専属のシェフとしてオリジナルのレシピ開発・お客様への技術アドバイスなどを行う。

今回のテーマ

パンづくりの副材料『卵』
今回は【卵】についての簡単なお話です。

先ず卵を大きく分けると、全卵、卵黄、卵白となります。
【パンづくり】だけでいうと、全卵»卵黄»卵白の順での使用率だと思います。
基本的に卵のサイズの大きさが変われど「卵黄」の重量はさほど変わらず、大きくなるにつれて殻と卵白の重量が増します。

先ずは【パンづくり】における「卵の効果」ですが、パンに風味を与えるほか、卵黄に含まれる天然の乳化剤ともいわれる【レシチン】と【リポタンパク質】が水と油脂の仲介をする為、パンのクラムを柔らかくしたり、デンプン粒を保護して焼成後のパンの老化を遅らせたりします。
焼成時にはドリュウル(塗り卵)として用いて、綺麗で食欲をそそる美味しそうな黄金色になる手助けをします。また、パン表面に卵の薄い膜が張ることによって水分の蒸発を防ぎ、パンの老化を遅らせます。
【卵白の熱変性】
卵白中に含まれる蛋白質(主に熱変化に敏感なオボアルブミン)が加熱により、凝固するので、焼き上がりの食感がパサパサと硬くなってしまいます。
『ブリオッシュ』などの卵の配合量の多いパン生地などは、卵黄のみ使用し、卵白の分量を「水」に置き換えて仕込むとパサつかず、コクを感じながらも軽い食感で口溶けの良い『ブリオッシュ』に仕上がります。
逆に、この調理特性を利用したものが「マカロントッピング」です。

※参考レシピはこちら
パネットーネ・ヴェネチアーナ(パネトーネ)
※因みにあくまでも目安ですが、Lサイズで殻を除いての重量が約60gの場合、卵黄が約20gで、卵白が約40gです。

また、水分量の話になりますが、全卵の場合、水分量は約76%です。残りは蛋白質や脂質などになります。
例えば、全卵使用の配合で、卵アレルギーなどで、卵抜きで、水だけで仕込みたい場合などは換算が必要になります。粉100gで全卵が90g配合の場合、水に置き換える場合は約68gになります。
逆に、水68g配合を全卵に置き換える場合は約90gになります。
理論上ではそうなるのですが、卵には色々な調理特性があり、卵を使用と不使用では同じような仕上がりにはなりにくいです。
全量では無く、全体の一部分だけを置き換えたい場合などは、先ずはそのまま100%置換で仕込んでみて、出来上がりの外観や食感・食味などを確認してから、正規の76%置換にしてみられると良いと思います。

※100%置換 水100g ⇒ 水 50g+全卵 50g=100g
どうしても卵がダメな場合を除いて、ソフトなパンに仕上げたい場合は、卵を配合して、調理特性をうまく活用してみてください。